摂食障害を回復するために
摂食障害を回復するコツは、そこで、小さくても、良い兆しを見逃さないことです。しかし、治療を継続することで、多少波があっても、通常は、少しずつでも、回復の方向に向かっていきます。ただし、体型に関してのコメントは、慎重に行う必要があります。
治療を行っていても、その間には、調子の良い時もあれば、また、症状が悪化することも考えられ、波があり、それを繰り返します。できれば、体型に関してコメントするよりも、食べれるようになったことで、一緒に食事を楽しめることが嬉しいなどといった方が、患者さんも、受け入れやすいでしょう。こうして、摂食障害になる原因は、人によって違ったとしても、一度、摂食障害になってしまうと、いずれの場合も、回復するためには、時間がかかります。
もし、拒食症の患者さんを持つ家族であれば、前に比べ、食べる量が増えたとか、周りにいる人に、本音で話せるようになったなど、良い変化があれば、それを伝えてあげることが大切です。このように、周りが褒めてあげることは、患者さんにとって、回復の後押しとなります。あとは、家族をはじめとする身近な人たちが、患者さんにとって安らげる存在になってあげることや、家のなかで、リラックスして過ごせる環境を整えてあげることが、回復のコツとなります。
ダイエットがきっかけだった人もいれば、仕事や人間関係でのストレスなど、さまざまです。摂食障害になるまでの過程は、人によって異なります。もちろん、患者さん自身が、自分で自分を褒めてあげることも、効果的です。
摂食障害とは・・・
特に若い人に多い摂食障害は、ストレス社会が生み出した病気と言えるかもしれません。
ですが原因を知り、適切な治療をすれば必ず症状は回復します。
では、摂食障害とはどういうものなんでしょうか?
摂食障害という言葉は聞き慣れなくても、【拒食症】・【過食症】なら聞いたことがあるのではないでしょうか?
それらの総称である摂食障害は、食べることが楽しいと感じられなくなってしまう精神的な病気の一つです。
芸能人の世界でも多い摂食障害
「ちょっと太ったかな…」
体重の増減、女性であれば誰でも気になるものです。
少しでも痩せてスタイルを良くしたいとダイエットに励むのは悪い事ではありませんが、過度な食事制限は摂食障害を引き起こす原因になりかねません。
摂食障害には大きく分けて2つのタイプがあります。拒食症と過食症です。
食べ過ぎてしまう過食症と食べ物が食べれなくなる拒食症。
正反対な症状のこれらの病気が摂食障害という病名でまとめられているのには理由があります。
過食と拒食の症状は移行しやすく、「拒食症が治った!」と思ったら今度は過食症になってしまうケースがとても多いのです。
過食症よりも拒食症の方が症状としては重症で、そのまま悪化していくと死に至る恐れもあります。
また、拒食症の患者さんは10代の若い人が多いです。
「どうしてそんなに若い人が?」
と不思議に思うかもしれませんね。
拒食症になるきっかけはダイエットである場合がほとんどです。
「太ってきたから痩せたい」
ダイエットで体重が減っていき、スタイルが良くなっていくのはとても快感です。
「もっともっと痩せたい!」
という欲求から無理な食事制限などをするようになり、結果的に拒食症になってしまうのです。
「キレイになりたい」
その気持ちは、芸能人や有名人であれば、更に強いものになるといいます。
キレイで艶やかな芸能人…テレビの中の活躍などを見ていると、とてもそんな姿想像できないですよね。
華やかに見える芸能界にいても悩みやストレスは尽きないということですね。
憧れの芸能人が摂食障害だった、というのはショックかもしれませんが悪いことばかりではありません。
芸能人が摂食障害であったことを告白することでメディアが摂食障害について報道をするようになります。
そうすれば摂食障害についてまったく知識のなかった人も摂食障害がどのような病気であるか理解することができます。
このようにたくさんの人が摂食障害に関心を持ち、理解を深めることで、治療に対する取り組みも変わってきます。
それだけでなく、摂食障害の芸能人の存在は現在摂食障害で苦しんでいる患者さんに勇気や希望を与えます。
摂食障害は治ってもすぐ再発したり、拒食症が過食症に移行したりするため治療はとても困難だと言われています。
しかし、摂食障害を克服した芸能人の元気な姿をテレビで見ることで…
「必ず治るはずだ!」と前向きに治療に取り組むことができます。
希望を持って治療に臨めば、摂食障害を乗り越えることができるはずです。
体を壊しまってはやりたかった事が何もできなくなってしまいます。
無理な食事制限などでダイエットするよりは適度な運動などで体をシェイプアップさせた方が良いでしょう。
摂食障害かな?と思ったら...
「摂食障害かもしれない」
でも、確信はないし病院へ行って検査を受けるのはちょっと大げさな気がする…。
病院へ行くべきか、それとももう少し様子を見るべきか。
こんなふうにお悩みのあなた!それなら摂食障害チェックを試してみてはどうでしょうか?
今回は拒食症と過食症それぞれのチェックリストをご紹介します。
5つ以上当てはまる場合は摂食障害である可能性が高いので、迷わずに病院へ行きましょう。
●拒食症チェック
・体重をやけに気にする
・体重計で何度も体重をはかる
・食べ物のカロリーに詳しい
・低カロリーのものしか口にしない
・食事をよく残す
・病気をしているわけでもないのに体型が
急激に変わる
・体は痩せているけど元気がいい
・太っていると思い込んでいる
・頻繁に立ちくらみを起こす
●過食症チェック
・食べ物のことばかり話す
・食べる量は多いのに体型が変わらない
・食事をした後、トイレに入り長時間出てこない
・食事をすると元気がなくなる
・「食べ出したら止まらないから、止めて欲しい」
というようなことを周りの人に言う
・食べ物に対してこだわりがある
・周りの人に謝罪することが多い
・自分のことが嫌い
・何でも完璧にこなさないと納得できない・周りの意見に合わせようとする
「これくらいなら大丈夫、自分はおかしくない」
摂食障害はなかなか自覚することが難しい病気です。
急激に痩せてしまったり、食事の量が異常なくらい増えたり。
様子がおかしいと思ったら家族がこのようなセルフチェックを受けさせ、体の異変に気づかせることが大切です。
摂食障害を克服するには…
食事って楽しいですよね。
レストランでおいしい食事をとれば、日頃の疲れもストレスも吹き飛びますし、あまり仲良くない人でも一緒に食事をすれば、距離が縮まり、仲良くなることができます。
「食事ってすごい!」
でも、摂食障害になってしまうと食事がまったく楽しくなく、むしろ苦しいものに変わってしまいます。
食べては吐いて、食べては吐いて、この繰り返しです。
辛い摂食障害を克服するには一体どうしたらいいのでしょうか?
●摂食障害を克服するには…
摂食障害の克服には家族の協力が必要不可欠です。
なので今回は、摂食障害克服のために家族ができることをご紹介します。
摂食障害になると過食症の人は高カロリーのもの、拒食症の人は低カロリーのものを好むようになります。
摂食障害を克服するには、まずこのような偏った食生活を改善しなければいけません。
「でも、改善させると言ってもどうすれば…」
そうですね。
拒食症の患者さんは食事を拒否してしまうので、食事をとってもらうところから始めなければいけません。
料理を出すときは大きなお皿に盛るのはやめましょう。
大きなお皿に盛ると「すべて残してはいけない」とプレッシャーを感じ、さらに食べれなくなってしまいます。
食事を出すときは小さなお皿に少しだけ盛ってあげましょう。
小さなお皿ならプレッシャーやストレスを感じることなく食べることができます。
また、大きなお皿に料理をのせて食べたい分だけをとる形にするのも効果的です。
摂食障害を克服するには、食事は苦しいものではなく楽しいものなのだということを教えてあげることがとても大切です。
なので、体が心配なのはわかりますが「食べろ!」と食事を強制することは絶対にしてはいけません。
「食事=苦しい」
という認識が強くなってしまいます。
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