摂食障害は心の病です。
摂食障害は体の病気ではなく、心の病気です。
なので、普通の検査だけでは摂食障害であるかどうか診断することはできません。
「じゃあ何を基準に診断してるの?」
摂食障害には摂食障害を診断するためのマニュアルがあるんです。
今回は摂食障害のひとつである拒食症の診断基準をご紹介します。
●拒食症の診断基準
摂食障害の診断には「DSM-IV」という診断マニュアルが用いられることが多いです。
このマニュアルはアメリカ精神医学会によって作成されたもので、摂食障害のような心の病気の診断に利用されています。
それでは、「DSM-IV」による拒食症の診断基準を詳しくみていきましょう。
・肥満に対する恐怖心
→平均体重よりも体重は少ないのに体重が増えることや太ることに対して強い恐怖心を抱いている。
・平均体重になることを嫌がる→年齢や身長から算出される平均体重になることや平均体重を維持することを嫌がる。
・低体重だと感じていない→生命に関わるくらい体重が減少してしまっても、症状の重大さに気が付かない。
周囲から「その体型や体重はおかしい」と指摘されてもそれを否定する。
・月経周期の乱れ→月経が3回連続、もしくはそれ以上きていない。
あなたはこの診断基準に当て嵌る状態ではありませんか?
摂食障害の中でも拒食症は悪化すると死に至るケースもある恐ろしい病気です。
「自分は大丈夫」
「拒食症なんかじゃない」
とは思わず、周囲の人から「おかしい」と指摘されたら早めに病院を受診してください。
摂食障害をブログで調べてみる
「摂食障害かもしれない」
と思ったら病院へ行くのが一番ですが、すぐに行ける範囲に病院がなかったりする場合もあります。
摂食障害についての知識もなく、医師からのアドバイスも受けられない。
これは不安ですよね。
「一体どうしたらいいの?」
そこで、ブログを利用してみてはどうでしょうか?
摂食障害患者のブログ
インターネット上には実際に摂食障害を乗り越えた方のブログや現在治療中の患者さんのブログがたくさんあります。
ブログを通して摂食障害がどのような病気であるのかを知ることができます。
また、周りから「その食生活はおかしい」と言われても「どこがおかしいのかわからない」「自分は摂食障害じゃない」と思っている方がブログを読めば自分の状態を客観的に見ることができ、今の自分の状態は異常なのだと気付くことができます。
自分が摂食障害なのだと気付くことは治療する上でとても重要なことです。
患者と家族をサポートするブログ
患者さんのブログだけでなく、摂食障害の患者さんとその家族をサポートするブログもあります。
摂食障害は悪化すると合併症を引き起こす可能性もあります。
最悪、死に至るケースもあるとても恐ろしい病気です。
すぐ行ける範囲に病院がない場合はこういったブログを利用して、カウンセリングを受けたりアドバイスをもらうことをオススメします。
ブログを見ることはとても良いことですが、患者さんの中にはブログを見ることで症状が悪化してしまう場合もあるので注意が必要です。
ブログを上手に活用し、家族と力を合わせて摂食障害を乗り越えていきましょう。
過食嘔吐は心と体を傷つける、、、
「食べても食べてもとまらない」
過食症は摂食障害の症状のひとつです。
体が満腹になっても食事をやめることができず、食べ過ぎて場合によっては嘔吐してしまうこともあります。
これを過食嘔吐と言います。今回は過食嘔吐によるダメージについてご紹介します。
過食嘔吐によるダメージ嘔吐することで胃の中の食べ物と胃液を体外に排出します。
胃液を排出してしまうと血液の中の塩分が不足し、空腹感が増します。
空腹感を満たすために過食をし、また嘔吐する。
過食嘔吐はこうして繰り返されていきます。
口に指を突っ込むなどして無理やり吐くのですから、体への負担は大きいです。
また、過食嘔吐は体だけでなく心にも深刻なダメージを与えてしまいます。
「どうして過食嘔吐で心が傷つくの?」
と思う方もいるかもしれません。
過食と嘔吐を繰り返すことにより、太ることへの強い恐怖心・過食をする度に自己嫌悪に陥る・過食してしまうかもしれない不安などを感じるようになります。
こういった不安や恐怖から家族や友人と一緒に食事をすることができなくなってしまいます。
どんどんとそれが悪化し、引きこもりになってしまうケースも多いです。
体と心を傷つける過食嘔吐。
一刻も早く治したいところですが、過食嘔吐を自分の力だけで克服するのはなかなか難しいです。
病院へ行き医師や家族、友人など周りの人にサポートしてもらいながら少しずつ確実に摂食障害・過食嘔吐を治していきましょう。
過食予防のためのルールを作る!
もしもあなたが既に摂食障害になっていて、「過食嘔吐をどうしても止められない」という場合は、自分の中で『決めごと(=ルール)』を作ってみてはいかがでしょうか?
ネットで摂食障害の方のブログを調べてみると、こういったルールを決めることで、自分の中の衝動をコントロールして過食を予防している方が結構いらっしゃいます。
例えば・・・
@「旅行する」「資格を取る」といった目標を設定し、過食するための食料にかかるお金を貯金する。
Aお腹が空いたら、炭酸入りの水を飲む。(満腹感が味わえて、過食予防に効果があるようです。)
Bお腹が空いたら、寒天ゼリーや焼き海苔を食べて気を紛らわす。
C財布に余分なお金を入れない。
Dコンビニやスーパーがある道を通らない。
Eアロマや入浴剤などで、心身をリラックスさせる。
F過食の衝動が襲ってきたら、深く深呼吸を繰り返す。
自分の症状に合わせて、無理のない範囲でルールを設定し、「これが守れたらあれを食べよう!」と自分にご褒美を与えてみましょう。
ただし、厳しすぎるルールは、逆に摂食障害を悪化させる危険性がありますので注意して下さい。
摂食障害克服のために家族ができること…
食事って楽しいですよね。
レストランでおいしい食事をとれば、日頃の疲れもストレスも吹き飛びますし、あまり仲良くない人でも一緒に食事をすれば、距離が縮まり、仲良くなることができます。
「食事ってすごい!」
でも、摂食障害になってしまうと食事がまったく楽しくなく、むしろ苦しいものに変わってしまいます。
食べては吐いて、食べては吐いて、この繰り返しです。
辛い摂食障害を克服するには一体どうしたらいいのでしょうか?
摂食障害を克服するには…
摂食障害の克服には家族の協力が必要不可欠です。
なので今回は、摂食障害克服のために家族ができることをご紹介します。
摂食障害になると過食症の人は高カロリーのもの、拒食症の人は低カロリーのものを好むようになります。
摂食障害を克服するには、まずこのような偏った食生活を改善しなければいけません。
「でも、改善させると言ってもどうすれば…」
そうですね。拒食症の患者さんは食事を拒否してしまうので、食事をとってもらうところから始めなければいけません。
料理を出すときは大きなお皿に盛るのはやめましょう。
大きなお皿に盛ると「すべて残してはいけない」とプレッシャーを感じ、さらに食べれなくなってしまいます。
食事を出すときは小さなお皿に少しだけ盛ってあげましょう。
小さなお皿ならプレッシャーやストレスを感じることなく食べることができます。
また、大きなお皿に料理をのせて食べたい分だけをとる形にするのも効果的です。
摂食障害を克服するには、食事は苦しいものではなく楽しいものなのだということを教えてあげることがとても大切です。
なので、体が心配なのはわかりますが「食べろ!」と食事を強制することは絶対にしてはいけません。
「食事=苦しい」
という認識が強くなってしまいます。
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